さて、アメリカの犯罪ドラマでは、警察組織同士の「管轄権の争い」が一つの定番エピソードになっている。現実にあるのかも知れないが、それはさておき、本シリーズでも時折似たような状況が描かれている。争いはLAPD内部で発生することもあるが、より大きな事件の場合は当然FBIの出番となるので、そこにLAPD vs FBI といったような構図ができやすい。
そんなとき、ボッシュの視点では、FBIが自分の事件を横取りしようとする厄介な相手や障碍に見えることがある。しかし、ボッシュの場合にかぎると逆に、FBIがかれの捜査上の窮地を救うケースが多いような気がする。ただし、”FBI”と言っても組織ではなく、ボッシュの親しい友人を指すのであるが。


一徹なボッシュとしては、ほかに方法が無いと思えば迷わず(LAPDの組織論理やしがらみなど一片も顧慮することなく)、FBIであれ誰であれ頼みこんでしまう。並みの刑事ならそんな非常識な行動に走らず、あくまで身内に援助を仰ぐに違いない。しかしその結果はいうまでもなく、問題が本質的に解決されることはないであろう。ボッシュの考える本質的解決とは、そこに存在する「悪」を追いつめ、消滅させるることにほかならない。
あなたが部下をもつ組織人であれば、自分から折れない・やりすぎるボッシュに違和感を覚えるか、我慢できないかも知れない(とすると、アーヴィン・アーヴィングと似ている?ようだが)。あるいは、ボッシュの突出行動はいままでずっと結果を残してきたし、組織の閉塞感を打ち破る態度として奨励したいくらい、であろうか。
ボッシュの履歴書(7)につづく。
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投稿者: heartbeat
管理人の"Heartbeat"(=心拍という意味)です。私の心臓はときおり3連打したり、ちょっと休んだりする不整脈です。60代半ば。夫婦ふたり暮らし。ストレスの多かった長年の会社勤めをやめ、自由業の身。今まで「趣味は読書」といい続けてきた延長線で、現在・未来の「同好の士」に向けたサイトづくりを思い立ちました。どうぞよろしくお願いします。
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